剛力家の三兄弟

「三人とも互いを尊重し、思いやりをもつ優しい方々だと思います。
そして、三つ子ならではの、互いの一番の理解者でもあるでしょうが、でもそれは、兄弟の為なら、自分を犠牲にしても良いと思っている。
自己満足者だとも私は思います。
それから1番の厄介な事は、三人が三人ともいまだ母親である法子さんを怖がり、親の言いなりになってる。いい歳して見っともないとも、私は思います」

「結構はっきり言いますね?」と、法子は顔に引きつらせ言う。

言えって言ったのは法子さんじゃ無い?

「以前、明憲さんは私と結婚しても良いと仰いましたが、それは、自分が犠牲になっても良いと言う理由だった様です」

「ちょっと待て!」
明憲は真奈美の言葉を遮ろうとしたが、真奈美は話を続けた。

「自分が長男だから・・
また、憲剛さんや、禎憲さんも同じで、三つ子に長男次男などは関係ないと仰り、結婚するなら、自分にしとけと…ホント優しい方々で、強い兄弟愛を感じましたが、私としては、迷惑です!」

自分で言っておいて、酷い言い方に悲しくなる。
でも…
彼等の想いが私に無い以上…

「それだけですか?」

「・・・はい」

「では、私から新たな提案をしたいと思います。真奈美さんを、剛力家の養子として迎えたいと思いますが?裁判長審判を?」




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