わたしを光へ。



放課後、私は教室で相澤くんを待っていた。


今日は丁度良く生徒会の仕事も無かったから。


教室には氷室くんと、クラスメートが数名いるだけ。


大体の人は、部活に行ったか、もう既に帰ったのだろう。


氷室くんも私に話しかける訳でもなく、自分の席で携帯を弄っている。


「美月」


相澤くんが私を呼ぶ。


それを聞いて私は彼の元へ向かった。


後ろからは氷室くんも付いて来る。


これから行く場所はきっと、昨日の人たちがいるところ。


「ちょっと歩くけど、大丈夫か?」


それに頷き、私たちは無言で歩いた。


空気が重いとか、しんみりしているとか、そういうのじゃないけど、話すのは今じゃない、そんな感じ。


駅裏の繁華街をさらに抜けた所、相澤くんはそこで立ち止まった。


< 35 / 301 >

この作品をシェア

pagetop