その視界を彩るもの

/いつめんって曖昧な響き






日頃から独特の騒がしさに包まれる教室内。

そのちっぽけな空間のちょうど窓際最後列付近にて。




「えー、そこでナンパとか」

「気合い入り過ぎて逆に引くってー」



ぎゃははと「ギャル」独特の笑みを貼り付け腹を抱える彼女たち。

そんな輪の中に(たぶん)居るあたし。しかしながら会話には参加していない。







「(えーと……なに?ラインはブラウンのジェルで?)」





おとす視線の先には丁度あたしらと同い年くらいのギャルが笑顔でポーズを決める、雑誌。

ビフォー・アンド・アフターなんてゴシック調で書かれた文字に踊らされるように映る一人の女の子。

まあ、信じられないこともない。けれど同一人物にしては変化しまくりのスッピンとメイク後。









丁寧にもメイクの手順がずらり、と。

モデル全員分のそれが所狭しと書き連ねられる賑やかなファッション誌を凝視しつつ、せかせかと自らの顔面にペンシルを走らせる。




そんなあたしのカオも(たぶん)所謂ギャルなんだろう。

だからと言って、特段ギャルになりたくて化粧してる訳じゃないし。メイクにはまってたらいつの間にかこうなっていただけの話。








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