見上げる空は、ただ蒼く
「凜、証拠はここにある。
このカメラは凜が裏方のサボりを
なくすために取り付けたもの。
ここに貴女が短剣をすり替えた
ところが映ってる。」

「.........そんなの知らないわよ。」

凜は歪な笑顔で笑った。
いや、嗤ったって言った方が
正しいのかもしれない。

その表情は恐ろしいほど冷酷で
先程までの優しそうな笑みは
どこかに消え去っていた。

「凜、私に恨みでもあったの...?」

震える声で尋ねると、
凜は私を一瞥して淡々と告げた。

「気づいてないの?自分だけが
特別扱いされてるってことに。
私はそんなアンタが憎かった、
ただそれだけのこと。」

特別扱い?

なにそれ......。

「私は凜のこと信じてたよ。
大好きだった。でも、ごめんね。
自分が凜を傷つけていたなんて
思ってもみなかった。」

私は凜をしっかりと見据える。
とにかく今は凜に正面から
気持ちをぶつけるしかないと思った。
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