恋する耳たぶ

この間、私は匡さんと念願の、おデェトをした。
何を隠そう、これが、うれしはずかし、初めてのおデェト。

私は、私なりに気合を入れ、念入りに準備をし、その日に臨んだ。

日程が決まった時から、いつもの倍くらい時間をかけて、お肌の手入れもしていたし。
当日のコーディネートも、何度も検討を重ねて、ベストな物を選んだ。
かわいいけれど、気取り過ぎていない、カジュアルだけれど、女の子っぽさは残しつつ、の、お洋服。
髪も、メイクも丁寧にして、ほんのり香るボディミストもつけてみた。

あ、カフェに行くので、コーヒーとか食べ物の匂いを邪魔しない程度にだけどね。

ほら、並んで歩いたりした時に、ふわって、いい香りがしたら、いいなーって。

匡さんも、あれ?この子、いい匂いするなーって。
ちょっと、その気になったりするかなーって……

あ、そうですね。
完全に願望ですし、妄想ですね。

だって、好きなんだもん。
しょうがないじゃない。


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