ノンフィクションにご注意を

†第１章† 新しい家族

☆大切な人の大切☆ 《Side -Mayuko-》

「いただきます」


きちんと両手を合わせてから、お気に入りの赤い箸を手に取る。


「食べ終わったら、食器下げてね～～～」


「分かってるよ、お母さん」


パタパタと出勤の準備をしているお母さんにそれだけ返して、豆腐とワカメの味噌汁を啜った。


私の名前は溝渕 摩友子《みぞぶち まゆこ》。


極普通の一軒家で母親と二人暮らしをしている、これまた極普通の女子中学生です。


うちには、お父さんがいない。


なぜなら私の両親は私が小学校１年生の時に離婚して、私はお母さんの方に引き取られたから。


『ごめんね、摩友子………』