親友以上彼女未満
あの日の理由
私はそれから、眠れない夜を過ごした。


- 抱いたよ、里麻の事 -


「あああああああ!」

頭を掻きむしって、テーブルにおでこをつける。

何で、あのタイミングで、カミングアウトするかな。


「なに、どうした?里麻。」

たまたま、部屋に遊びに来ていた有生君も、気にしている。

「ううん。何でもない。」

まさか、他の男とHした夜を思い出して、忘れられないなんて、誰が言えますか。

「何でも言ってよ。俺、里麻の事、何でも知りたいからさ。」

年下なのに、すごく頼りがいがあって、男らしい有生君。

そんな事言われると、無意識にキューンとなる。


「あのさ。今日……泊っていってもいい?」

見つめ合った瞬間に、まさかのお誘い。

いつもだったら、ここで”うん”って、可愛く言えるのに……

「また、今度に……しない。」

さり気なく断っちゃった。

「うん。そうだね。」
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