偽物の恋をきみにあげる【完】
でも、答えを急ぐ必要はない。

だって私と大雅は、「半年だけの恋人ゴッコ」から「本物の恋人」になったから。

そんなことは言われていないけれど、私を愛してるのに、さすがにこの期に及んでゴッコする理由もない。

コタローくんも「半年だけの恋人」だけれど、まだまだ時間はあるし、もしもコタローくんが大雅なら、半年だけの約束も無効になるかもしれない。

「あ、コタローくん。龍馬像、写メ撮ったから送るー。あと高知城とはりまや橋も!」

『わー、やったー! ありがとうございます^^』

だから答えがわかるまでは、大雅は大雅、コタローくんはコタローくんで接しようと決めた。

今までと変わらず、別々の人物として接しながら、2人が同一人物である証拠を見つかったら、その時どうするかまた考えればいい。

『そうだ、明後日からしばらく忙しいので、メールできない日があるかもです(;´д`) 』

「うん、わかった。無理しないでね」

『ごめんね、つーちゃん。メールできなくても、ちゃんと大好きですから!』

「うん、ありがと。私も」

コタローくんのことは大好き。

けれど私は、大雅を愛してるのだ。

だから、コタローくん=大雅、じゃないと本当に困る。
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