偽物の恋をきみにあげる【完】
あとがき
【あとがき】

いきなりお願いなんですが。

できれば、全ての真実を知った上で、もう一度読み返していただきたいのです。

偽物だのゴッコだの言いながら、めちゃくちゃ仲良しで幸せだった2人の姿……それを書いたのが大河だということを踏まえて、もう一度最初から読んでほしいなあ、なんて。

というわけで、こんなあとがきなんか読んでないで、今すぐふりだしに戻ってください笑


さて、今回のテーマは「切ないけど前向きになれるような物語」です。

なので、この小説のメインテーマも勿論「切ない」です。

でも、実はサブテーマは「ありがとう」です。

「ありがとう」という言葉はとても素敵ですが、使い方によっては「さよなら」にも聞こえて、ちょっと切なくてほろ苦いですよね。

ほろ苦いけど、悲しいさよならじゃなくて。

「あなたが幸せをたくさんくれたから大丈夫、がんばれる」

「大丈夫、ずっと見守ってるからがんばれ」

前に進むさよなら。

そんな「ありがとう」と「さよなら」を書きたかったんですが、ちゃんと書けてたのかしら。


テーマと言えば、「切ない」というお題に対して私が選んだ答えは『嘘』とか『偽物』でした。

人はたくさんの嘘をつきます。

他人にも、自分にも。

でも、その嘘の中にこそ、その人の本当の想いが溢れているんじゃないか、なんて思いました。

あらすじやプロローグを読んで、「どうせ両片思いでしょ」とか「あー、寺島かなたお得意の『あなたは誰?』系恋愛ミステリーね」とか思った方はたくさんいらっしゃったと思います。

まあ、間違ってはいないんですが笑

今回は、読者様に壮大な嘘をついてみました。

この小説は、2人の偽物の恋物語ではありません。

それは作中作。

実は、「大河が月奈に偽物のハッピーエンドをプレゼントする」という、切なくて愛に満ちた嘘のお話でした。

ちゃんと騙されてくださいましたか?
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