溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
会社を出てからすぐに答えてくれないであろう、質問を投げ掛けてみた。

「東雲さん、社長をご存知なんですか?」

一歩先行く東雲さんは、速度を変えることなく答えた

「初めて会ったけど」

「うそですよね?東雲さんは顔色かえませんでしたが、社長は一瞬動揺してました。」

「俺にホレたか」

「は?変な冗談を。どういう知り合いですか?」

「だから、初めて会ったって言ってる」

「、、、そうですか。」

やっぱり言わないか。

そのうち何か分かるかな。

「次は?事務所に戻るのか?」

「東雲さんは戻ってください。私は署に用がありますので。」

「依頼人に会うのか?弁護士ついてる方がいいんじゃないか?」

「いえ、棚橋さんに頼まれた書類を渡すだけなので。」

「なら、待ってる。」

なに?なんか企んでる?

待ってたから奢れとか?なんかよからぬことでも?

「なんつー、残念な顔してんだよ。」

「いえ、何か企んでるのかと」

「夜付き合えって言っただろ」

「言いましたね。」

「直帰するって連絡したから、このまま行くぞ」

「なんて勝手な、、、」

何を考えてるかわからない上に自己中って、、、


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