溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
警察の事情聴取もあるからどのみち帰れないかー。

私は鞄から名刺を取り出して、変態の前に差し出した

「弁護士事務所で事務してます。楢岡 希です。
この方は先日、うちの先生が弁護した痴漢加害者の弟で、逆恨みして連日事務所に押し掛けてきてたんです。」

名刺をスーツのポケットにしまうと、自分の名刺を今度は私に差し出した。

ぬあっ!

本当に弁護士なんだ。しかも国際弁護士。

まさか、変態趣味がある弁護士なんてね、、、

「で、なんでお前が標的?」

「さぁ?女だと思ってなめられましたかね。
これでも一応、空手と柔道を習ってるんで、そう簡単には負けませんけど。」

「じゃあ、必要なかったか」

「いえ、油断してしまったので、助かりました。」

「そうか」



"東雲 岳"

これが、私と彼の最初の出会い。

ヒーローのように現れた彼は、私の心に色んな意味で大きな存在感を残した

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