グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~

地底と地上

 髪はショートボブで、今より少しふっくらとしていた。

「大丈夫ですか? 」

 倒れているマロンディスに、そっとシルビアが声をかけた。

「っ・・・」

 苦痛な表情を浮かべ、マロンディスは目を開けた。

 視界に映ったシルビアを見ると、大きく目を見開くマロンディス。

 白い肌というよりは、青白い色に近い白い肌をしているシルビア。

 だが、魅力的な赤い瞳が胸をキュンとさせた。

 
 この瞬間に、マロンディスはシルビアに恋をしてしまった。

 また、シルビアも胸がキュンとなって、どこかで会たことがあるような人だと感じていた。

 マロンディスの額から血が出ているのを見ると、シルビアはそっと手をかざした。

 暖かい光でマロンディスの額の傷が治ってゆく・・・

「有難う・・・。治癒魔法が使えるの? 」

 とっても優しい声のマロンディスに、シルビアはまた胸がキュンとなった。

「あ・・・」

 
 マロンディスは自分が着ているダウンジャケットを脱いで、シルビアにそっと羽織らせた。


「そんな恰好じゃ寒すぎて風邪を引くよ、少し汚れてるけどごめんね」

 暖かいダウンジャケットからは、マロンディスの匂いがした。

 香水なのかそれとも、シャンプーか何かなのか、心地よいオレンジ系の匂いがして、シルビアの気持ちがホッとさせられた。


 立ち上がろうとするマロンディスだが、足に痛みを感じてその場に蹲った。


「大丈夫ですか? 手当しますから、一緒に来てくれますか? 」

 そう言って、シルビアがヒューッと口笛を吹くと。


 どこからか羽の生えた恐竜が飛んできた。


 マロンディスは、見たことがない生き物も驚いた目をした。


「大丈夫ですよ。この子はとっても大人しくて、人間には絶対に攻撃したりしません」

 羽の生えた恐竜が、くるりと頭を回すと。

 ゆっくりとマロンディスが浮かび上がって、そのまま背中に乗せられた。

「わぁ・・・。なんかすげぇ、あったかい」

 ヒュン! と、シルビアも飛んできて羽の生えた恐竜の背中に乗った。

「少し、掴まっていて下さいね」


 ふわりと空中に上がって、そのまま羽の生えた恐竜は飛び立った。
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