グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
最終章 繋がる地底と地上
しばらくして。
マロンディス達は、ティミスとジュリアルの下を訪ねた。
1階のサロンでくつろいでいる、ティミスとジュリアル。
「これで、私達。ティミスのお父さんと一緒に、暮らせるようになるわね」
「うん・・・」
なんとなく、気が乗らない返事をするティミス。
そんなティミスを見て、ジュリアルは何か腑に落ちない様子を察した。
「何だか気になっているの? 」
ジュリアルが訪ねると、ティミスは少し痛い笑いを浮かべた。
「マロンディス、本当に王位を継いでくれるのかな? って思ってね」
「どうゆう事? 」
「確かに、マロンディスが大きくなり落ち着いたら、僕達は父さんの所に行く。それまでの間って約束はしたけど。何となく、マロンディスは王位継承を望んでいないような気がするんだ」
「それは、シルビアが来たから? 」
「それもあるけど。マロンディスは、自分の出生を全て知っているからね。この王家に、興味がないような・・・そんな気がしたんだ」
「そうかな? 」
「マロンディスはきっと、心から愛した人と一緒にいる事を望んでいるからね」
フッと、小さくティミスがため息をついたとき、マロンディス達がやって来た。
「兄さん、話しがあるんだけど」
ん? と、ティミスはマロンディスを見た。
「どうしたんだ? 改まって」
「兄さん。俺、シルビアと一緒に地底に行くことにしたんだ」
やっぱりそうか・・・。
ティミスはそう思った。
「ちょっとマロンディス! それじゃあ約束が違うわ。貴方が王位を継ぐまでって、お父さんにもそう約束したじゃない」
まぁまぁ・・・。
ティミスはジュリアルの肩に手を置いた。
「ティミス? 」
ちょっと黙って! と、ティミスはジュリアルに目で合図をした。
仕方なく、ジュリアルは黙って話を聞く事にした。