恋は小説よりも奇なり
Episode.1 出逢いと再会

気だるさを感じる蒸暑い夏の日。

大学三年生の瀬戸 満(せと みつる)は市立図書館にいた。

満の趣味といえば小説を読むことで、大学卒業後の進路は出版業界で文芸に携わる仕事を希望している。

現在は気に入った小説の紹介やコラムを“充(みつる)”というペンネームでインターネット上にアップしていて、大人気というほどではないが毎日それなりの人が彼女のサイトを閲覧し、リピーターもいる。

記事を書くためには気になる本を探して読む必要があった。


図書館の中は冷房がきいていて涼しい。

満は返却口に借りていた本を返してぐるりと辺りを見渡した。

室内は制服や私服姿の中高生が大半を占めている。

夏休み真っ只中の彼らは宿題や自由研究などを終わらせることに必死だ。
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