彼は甘口

よなかになんか

…夜中になんか出掛けるんじゃなかった。



街灯がポツン、ポツン、とあるだけの暗い道を歩きながら思う。





冷や汗が首筋をつたって、私の恐怖を倍増させた。






私が足を速めるとソレも足を速める。



怖くてできないけど、

私が足を止めたらきっと…





心臓がマラソンの後みたいに音を立てる。

息も荒くなってきて、走ってるわけじゃないのに息切れしそう。



手に持ったビニール袋がカサカサ鳴る度に、悪い夢じゃないかなとか思ったりしたけど



顔に刺さる痛いほど冷たい空気に現実だと教えられる。








…あぁ、本当に出掛けるんじゃなかった。






17年間生きてきて今、一番後悔してる。






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