君等の遺した最後の手紙は。(仮)

抉れた傷

無事に自己紹介も終え、仲良くなれそうな子の目星も付けておいた。

特に気になったのが富田 晴華(とみた はるか)ちゃん、水樹 愛桜依(みずき あおい)ちゃんの2人。
自己紹介の感じから好感を持った。


とりあえずまずは富田さんに声をかけに行く。
「ねぇねぇ、富田さんって言うんだよね?何中出身なの?」
「あ、ハル? えっとね、さつき中って知ってる?そこだよ!」
声が可愛い。ちょこっと高い The・女の子って感じの声。
私の声は少し低めのハスキーだから羨ましい。

「知ってるよ!倉本市にある中学だよね、はる…かちゃんって言うんだっけ?よろしくね!」
倉本市は中間市の隣の市だ。
「よろしくね!えっと…みゆちゃんだっけ…?」
「みゆうだよ!よろしく!」
よくみゆちゃん、みうちゃんではない。間違えられると少し悲しい。

「あ、ごめんね!みゆうちゃん!改めてよろしくね!」
「うん!!」
ぎゅっと手を握られる。人の温もりに心が解けた。

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