ファイヤークイズ
救出
まさか、自分が炎の上を走る事があるなんて思っていなかった。


体中熱くて足が前に出ているのかどうかもわからない。


熱と痛みが交互に訪れて、その度に死を覚悟した。


でも、恐怖心を押し殺して一歩踏み出したあとは全力だった。


少しでも早く到達しなければ死んでしまう。


その恐怖に背中を押されて、一歩また一歩を足が前に出ていく。


体育館の床も通路も炎一色で、どこからどこまでが通路かわからない。


少しでも足を前に出す位置を間違えば、通路から落下してしまうかもしれない。


落下したら再び通路に戻る事はきっと困難だ。


床から上がっている炎はあたしの体をすべて包み込み、そこで息絶えてしまうだろう。


確実に前へ。


通路を踏み外さないよう進むしかない。


熱さに呼吸を止めて一気に駆け抜けて、気が付くと目の前にステージがあった。
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