Liebe

「じゃあ行こうか。ウィルの家が面してる中央通りの方はもう大体見てると思うから、今日は違う所に案内するね」

「はい! よろしくお願いします!」

ダニエルの優しい瞳に期待が高まる。
歩き出すダニエルについていく。ウィリアムの家とは正反対の方向だ。

「あの、ダニエルさん」

「なに?」

「アンナさんとウィリアムさんとはどういった仲なんですか?」

彩り鮮やかな街並みをゆったり歩きながら、疑問に思っていたことを聞いてみる。
アンナは詳しく話さず、楽しみにするよう言われていたのだ。

「はは、やっぱり聞いてないんだ」

「やっぱり、ですか?」

「アンナはあえて言わないだろうし、ウィルは何も言わないだろうしね」

相変わらずだなぁ、と言ってダニエルは笑った。
なんだかすごく仲が良さそうだ。
エリーは歩きながら隣で共に歩くダニエルの方に顔を向ける。

「僕とアンナとウィルはね、幼なじみなんだよ」

「幼なじみですか!」

幼なじみということは、幼い頃から仲良くしているのだろうか。
それはとても素敵なことだ、とエリーは楽しそうにダニエルを見上げる。

そんなエリーを見てダニエルも楽しそうに笑う。
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