5年前のセーラー服
中学生の自分
もう、何もかも久しぶりすぎて感動がこみ上げる。

学校の門の前に来ると、さらに何かがかこみ上げてきた。

ゆっくりと私は貴裕ともんをくぐった。

「りっちゃんんんん!!!」

りっちゃんこと、矢野目梨沙(やのめりさ)は私の親友だ。

「もぉ、いきなり抱きついてきて〜」

そんなふうにりっちゃんは照れ笑いをした。

ねぇ、貴裕もりっちゃんも知らないね。

私が20歳だってこと。当たり前だけど、隠し事をするのは後ろめたい。

でも、これは誰にも相談なんかしてはいけない。
そんなの分かってる。

大丈夫だ。

大丈夫だから私!

一人でなにか行動を起こすくらい、子供でもあるまいし私にだってできる。

実際私は大学生だ。

まぁ、大学にだって青春のせの字もない。

って今私中学生じゃん!セーラー服も着た、れっきとした中学生。


< 3 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop