「翔《はると》~。
あんな女子ほっときなよ~。ウチらと遊ぼうよぉ~。」

くりくりしたかわいい目をパチパチして俺にアピールしてくる女子たち。

俺の右手にも左手にも女子がぶら下がっている。


なのに・・・なのにだ・・・。
あの女だけは絶対俺の言うことを聞かない。



「今からカラオケ行こうぜ!」

塾帰りに誘ったら、このクラスのやつはほとんど俺についてくるのに、そんな中ひとりだけ無視して帰ろうとする。

「おい!お前も行けよ!
俺が誘ってやってんだぞ!」

そしたらその女は俺を軽蔑した目で一瞥してハナをフンッ!と鳴らした。

「そのとりまき女子たちと行けばいいでしょ。わたしは忙しいのよ。
あなたみたいな人大っ嫌いだから!」

そういうと踵を返し、さっさと荷物をまとめて教室を出て行った。

ムカつく!
なんだよ!
俺を誰だと思ってんだよ!

天下のKNグループ御曹司、久遠翔《くおんはると》だぞ!

小さいころからみんな俺の言うことは聞くんだぞ!

なんでお前だけ言うこと聞かないんだよ!