オレ様御曹司 と 極上KISS

「なんだよ？」

なんか掴んだのか？

思わず身を乗り出したくなるのを抑えた。


「久遠の爺さんと百合園のばあさんが昔、大恋愛の末、別れさせられたらしい。」

「え？」

「俺の推測だと、久遠の爺さんと百合園のばあさんが自分たちの代わりに孫を結婚させて、自分たちができなかったことを冥土の土産がわりにしようとしてんじゃねぇ？ってな。」

蒼大は得意気だ。

「お前、そんな話どっから仕入れたんだよ！」

コイツなかなかやる。

「え？それはまぁいいだろ？」

蒼大がめずらしく照れてそっぽを向いた。

女がらみか？
ふん。まぁいい。

でもナイスだ。蒼大！

「そんな話、俺じゃあ調べられなかったよ。蒼大。ありがとう。」

「なんだよ。あんたが礼なんて言ったら気色悪りぃよ。」

蒼大はしかめっ面をした。

「そうか？俺だって感謝したときはちゃんと礼言うさ。」

「ふうん。まぁいっか・・・。
じゃぁ俺が調べられることは調べたから・・・。あとは自分でがんばって。」

蒼大は立ち上がった。


「おまえ、なんかいいことあった？」

「は？なんでだよ。」

「いや、なんとなく・・・。」

「別に・・・仕事楽しいだけじゃね？
俺昼からクライアントんとこで予定入ってるから行くよ。」

蒼大はちょっと急ぎ気味に喫茶店から出て行った。



あいつ・・・何があった？
楽しそうにしてんじゃん・・・。



まぁでもそれより・・・
自分のことだ・・・

爺さんやってくれるな・・・。
絶対負けねぇから・・・。