オレ様御曹司 と 極上KISS
翔は何も言いもせず、わたしを家まで送って降ろそうとする。

わたしは無言で降りずに座っていた。


「なお?降りねぇの?」

「降りない・・・。もう限界。
今いったい翔が何をやってるのかもわからない。せめてわたしに説明くらいしてよ。」

「なお・・・。もうちょっと待ってくれ。
明日爺さんに会うんだ。そこではっきりさせる。だから、お願いだ。」

翔はわたしの両肩をガシッと掴み、わたしの額にキスした。
こんなふうに懇願されると何も言えない。

「明日、会長のお宅に直談判に行くってこと?」

「ああ。そのつもり。
それでもしうまくいかなかったとしたら、俺は久遠を捨てる覚悟だ。だからほんとに待ってくれ。」

「わかった・・・。待つ。」

わたしは大人しく車を降りた。
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