~一条なおside~

「ちょっとなお!」

昼休み。やってきたのは同僚の佳那《かな》。

わたしはPC画面から顔をあげた。

わたしの名前は一条なお。
KN商事の経理をしている大卒5年目27歳のうら若くない女子。

同僚の佳那は同じ管理部の人事課にいる。

大学をなんとか卒業したわたしは、なんとか一流企業のKN商事に就職した。

英語は自信あったので、英語を生かせる部署を希望したけど、なぜか配属されたのは管理部経理課だった。

必要とされている部署でがんばろう。
そう思って今までがんばってきた。


「そんなにあわててどうしたのよ?」

佳那はボブカットがよく似合うくりくりした目のかわいい系の女子で到底27歳には見えない。

合コンでも甘え上手なのでモテるし、今までもオトコは切らしていないはず。

今付き合っているのは歯医者だったかな?

「まだ内緒だけど、今度息子が専務になって戻ってくるよ!」

「息子?」

「なおは相変わらずうといんだから。
そういう噂には。」

あきれたと言わんばかりの顔で両手を挙げる佳那と一緒にわたしは食堂へ向かった。