オレ様御曹司 と 極上KISS
「専務。」

ゆさゆさと揺さぶるなおに起こされる。

専務って朝から呼ぶなよな。
イキナリもう仕事モードかよ。

目の前になおの寝起きのスッピンがあるとまた襲いたくなるのを堪えた。

「朝ですよ。
ちょっと寝坊したかもです。朝ごはんどうしますか?」

なおはちょっと慌て気味にベッドから出ると身支度をはじめた。

「いいよ。今日は。
会社行きしにコンビニで買ってくれれば。」

ムスッとして返事する。

「すみません。寝坊しちゃって。」

「いいって。俺も悪いし・・・。
今日はちゃんと帰すから。」

俺はベッドから出るとシャワーを浴びてスーツに着替えた。

なおは俺の前にシャワーを浴びさせてスーツに先に着替えている。

なおの服や化粧品類はもうすでにここにも買い置きしてあって、いつ泊まってもいいようになっていた。

出勤を2人でするのももう慣れたものだ。

俺の車は会社の地下のパーキングに止めるから誰にも見られる恐れはない。

だいたい7時半に出勤してくるやつもそうそういないから、あまり心配する必要はなかった。

「あー。来月からロス支社に出張入ってくるぞ。
だいたい行くときは1週間ほど滞在になる。
1ヶ月に1回くらいは入ってくるだろうな。」

会社に着くとコンビニのサンドイッチを食べながらなおに告げた。

「はい。わかりました。」

なおはなんか嬉しそうに返事をした。

「なに?なんか嬉しそうだな。」

俺と行くの楽しみにしてる・・・?

「はい。海外行くのって楽しみです。
久々に英語話すので。ちゃんと通じるのかなって・・・。」

わけないわな・・・。

「大丈夫だろ?お前は英語得意だし。」

強がってみる俺。

なおはやっぱり俺が思ってるほど、俺を思ってくれてるわけじゃない・・・。
辛いけど・・・それが現実。

俺はおとなしくその日はなおを家に帰した。
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