私たちの六年目
・
・
・
「それじゃあ明日は現地集合ね。お疲れ様」
「お疲れ様でしたー」
みんなに手を振ると、私はロッカー室を後にした。
今日は金曜日。
真っ直ぐ家に帰るのも、もう三回目ともなると少し慣れて来た気がする。
今夜は何を食べようかな。
駅前のスーパーで、半額シールのお惣菜があればそれにしようかな。
学生の頃は、結構自炊を頑張っていたのに。
社会人になってからは、あんまり作らなくなったよね。
そんなことを考えながら、会社の玄関を出た時だった。
「菜穂」
甘く響く低い声にカツンと足を止めると、植え込みの陰からまさかの人物が顔を出した。
「お疲れ」
そう言ってにっこりと微笑むのは、スーツ姿の秀哉だった。
「どうしたの? こんなところで」
秀哉が私の会社に来るなんて、初めてのことじゃないかな。
「今日、仕事で近くに来てたんだ。
もしかしたら菜穂に会えるかなって思って寄ってみた。
入れ違いにならなくて良かった」
「それなら連絡してくれたら良かったのに。
金曜日は、現場に行ってる時もあるんだよ」
「そうか、悪い。
ちょっと驚かせてやろうと思ったんだ」
思わず、ハッと短く息を吐いた。
本当に、めちゃくちゃ驚いたよ……。
・
・
「それじゃあ明日は現地集合ね。お疲れ様」
「お疲れ様でしたー」
みんなに手を振ると、私はロッカー室を後にした。
今日は金曜日。
真っ直ぐ家に帰るのも、もう三回目ともなると少し慣れて来た気がする。
今夜は何を食べようかな。
駅前のスーパーで、半額シールのお惣菜があればそれにしようかな。
学生の頃は、結構自炊を頑張っていたのに。
社会人になってからは、あんまり作らなくなったよね。
そんなことを考えながら、会社の玄関を出た時だった。
「菜穂」
甘く響く低い声にカツンと足を止めると、植え込みの陰からまさかの人物が顔を出した。
「お疲れ」
そう言ってにっこりと微笑むのは、スーツ姿の秀哉だった。
「どうしたの? こんなところで」
秀哉が私の会社に来るなんて、初めてのことじゃないかな。
「今日、仕事で近くに来てたんだ。
もしかしたら菜穂に会えるかなって思って寄ってみた。
入れ違いにならなくて良かった」
「それなら連絡してくれたら良かったのに。
金曜日は、現場に行ってる時もあるんだよ」
「そうか、悪い。
ちょっと驚かせてやろうと思ったんだ」
思わず、ハッと短く息を吐いた。
本当に、めちゃくちゃ驚いたよ……。