ウィスタリア学園

第1章

★出会い

入学式から五日後に私は『ウィスタリア学園』に入学した。
家の用事で遅れての入学。本当は、皆と一緒に入学式に出たかった。我儘だって分かっているのだけど……



「で、デカい………」



私は今『ウィスタリア学園』の正門にいる。てか、普通にこの学園広すぎ。寮もあるとか。学校にこんなにお金を使ってもいいのか？ってくらいにデカく豪華。って、この学園を作った一家の1人が言っていいのかもどうかしているわ。



私はとりあえず、正門を潜ろうとした。
その時、「ちょっと君、何勝手にウィスタリア学園に入っているんだい？」っと正門の所にいる門番らしき人に呼び止められてしまった。



「何って、私はこの学園の生徒の1人ですけど……何か問題がありますか？」

無視するのもアレだったのでとりあえず質問の応答をした。

「だったら、生徒である生徒証明書を見せて貰いたい。」

あーそれ無いわ。どうしよう……まあ、事実を言うべきかなぁ。

「すみません。持っていません。」

「それがないと学園には入れないんだが。」

あらま。そうなんですか。さて、どうしましょう。

「生徒証明書を持っていないのは何故だ？」

その質問を少し待っていたよ。


「私は入学式の時に諸事情があり、入学式に参加ず、生徒証明書も貰えていません。えっと……普通科の先生に連絡してもらえればきっと分かりますので。」


「そういや、普通科の生徒が1人いないとかどうとか言ってたな。分かった、普通科の先生に連絡してみよう。」

「連絡してみよう」の一言で私は心の底から笑顔に慣れた。

「ありがとうございます」

その笑顔は、人を魅了してしまう笑顔だった。

「お前、名前は？」

「藤咲舞姫です。」

「良し！分かった。ちょっと待っとけ」