「キイト、処分するなら、わしを処分してくれ。花梨だけは許して欲しい」

「お父さん、私が悪いの。もうやめて」

 キイトは鋭い目でセキ爺を睨みつけた。

「セキ爺、もう一度聞くが、私を過去に襲ったことはないのだな」

「もちろんそれはない。キイトと喧嘩したこともなかったではないか。なぜそのようなことを訊くんじゃ? 儂にはさっぱり理解できないんじゃが」

 セキ爺は本当にわからないという目で、キイトを見つめた。

 その眼差しに嘘偽りは全く感じられなかった。

 その時ユキは自分が見た映像のことを思い出した。

 キイトがもしそのことを話しているというのなら、襲った相手はセキ爺ではない。

 だが、キイトがなぜそのようなことを訊くのか、まるでキイトは自分が誰に切られたか分かってないようだった。

「ねぇ、キイト。さっきからセキ爺が襲ったかって訊いてるけど、もしかして私が見た映像と何か関係があるの? もしそうだとしたら、キイトを襲った相手はセキ爺とは似ても似つかない人だったんだけど」

 キイトはユキを振り返る。

 ユキはドキッとした。キイトの目には涙が一杯溜まっている。

「キイト、一体どうしたの? キイトの目的って、自分を襲った人を探しているってことなの? でもその様子じゃ、キイトは誰に襲われたか全く覚えてないって感じだけど、もしかして襲われたときのショックで記憶障害を起こしているんじゃないの?」

 キイトは赤石を持つ手に力を入れた。