「新田さん、ユキさん、巻き込んでしまって本当にごめんなさい」

「解決したことはもういいじゃないですか。キイトも許してくれたことだし」

 仁は花梨の気持ちを察する。

「そうよ、仁の言う通りよ。それよりもまだ問題は残っているわ。私達はカジビを探さないといけないし、そしてニシナ様も探さないと」

 ユキは自分の胸を押さえ、早くトイラを助けて、花梨とセキ爺のように心から安心したかった。

「そうじゃのう。わしらの問題が片付いたからといって、笑っている場合ではなかった。まだまだ気がかりなことが残っておる。それが解決せんことには、まだ笑うのは早かった。すまなかった」

「でもなぜ祠は壊されて、一体誰がセキ爺を襲ったんだろう?」

 仁は腕を組んで考え込んだ。

「もしかしたらだけど、そのセキ爺を襲った奴も赤石を狙っていて、そこにすでになかったから腹いせに祠を壊して暴れたんじゃないかな」

 ユキが口を挟んだ。

「それも考えられそうじゃが、ニシナ様はやっぱりそいつに誘拐されたと言うことになるんじゃろうか」

「お父さん、私が赤石を、その、拝借したとき、満月の夜の儀式でニシナ様はすでに留守にされていたわ。私はニシナ様の行動を知っていたから、その日を狙ったの。ニシナ様はそれから姿を現さなかったんでしょ。その後で祠が壊されてお父さんが襲われたんだから、ニシナ様は誘拐されてないと思うわ」

 花梨は『拝借』という単語を言い難そうにしていた。