幸せの華

蓮華Side

マンションに着き麗華は自分のフロアへ降り自室へ戻る中エレベーターの中には蓮華と心華のメンバーだけが残った。


「ねぇ、楓」
「なんだ結衣。お前が俺に話しかけるなんて珍しいな」
「いや、ちょっと…。さっきの麗華の“幸せの華”の事なんだけど…」


そういう結衣に楓の顔は真剣な表情になった。


「私も思ったんだよね」
「何だ、理央まで」
「いや、楓は思わなかった?多分麗華の言う幸せの華の華って人の笑顔の事だって」


あの生徒会室での出来事。
麗華が皆にお礼を言った時とても素敵な笑顔をしていた。
それも皆の心に響くような、幸せな気持ちになるような、暖かくなるような。


「多分、そうだろーな」


それは楓も薄々気づいていた。
そして普段あんまり話さない涼一が口を開いた。


「あれは本人が気づかないとダメな事だろーし、俺らは黙ってなきゃ」


その言葉に皆は頷く。
最上階フロアへ降り、蓮華と心華はそれぞれ部屋に入っていった。
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