全てが真っ黒に淀んだ。


光どころか殆どの色さえも見えなくなった。


それなら、何もかも、全て。


要らないと思った。


『ねぇ、やめよう?』


私の命だって変わらず、無くしてしまう方がいいと思った。


『.......何故?』



私の問いかけに、彼は黒く淀んだ世界で唯一美しい真っ赤な刹那に咲った。


地獄の門前に咲く彼岸花のように凛と、笑んだ。


今まさに命を捨てようとしている人を目の前に、その行為は不適切極まりないものだとは思う。



思う、のに。




紅く染まる世界の中で凛と笑む彼に、私はどうしようもなく興味をかき立てられてしまった。


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いじめ  暴行  虐待  解離性障害  高校性  スタ文対象4