俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
初めての恋の自覚

 



ホテルに泊まった翌朝、起きると私はなぜか和樹さんの腕の中にいた。



そのことに気付いて、一気に目が覚め飛び上がる。

「こっちには入ってこないでくださいって約束したのにっ!!」

真っ赤になって叫ぶと、和樹さんが笑いながら散乱したクッションを指さした。

「俺がそっちに行ったんじゃなくて、鈴花が勝手にこっちに来たんだぞ」

そう言われてみれば、確かに私は和樹さんと反対側で寝たはずなのに。
自分から和樹さんに近づいたことに気付いて、頭に血がのぼる。
寝ぼけて勝手に自分からすり寄ったあげく、人のせいにしてせめるなんて最低だ。

「す、すみません……っ」

慌てて私があやまると、和樹さんは少しも気を悪くすることなくご機嫌な様子で微笑む。

「いや、鈴花のかわいい寝顔がみられたからいい」

なんて甘い声で言われて、脳みそが沸騰するかと思った。




どうしてだろう。
和樹さんの顔を見るたびに鼓動が速くなって心臓がどくんどくんうるさい。

この感情は、一体なんなんだろう。





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