オオカミは淫らな仔羊に欲情する
出逢いと再会

  ―― ゴクッ ゴクッ ゴクッ

  ……ぷはぁぁ~っ。

  
  こうゆう時のお酒って意外とどんどん
  イケちゃうからふ・し・ぎ。
  
  
「ねーぇー、マスターおかわりー」

「絢ちゃん、今夜はかなり進んでるよ、大丈夫?」

「ん~……と、思う。1人で歩けるしー」  


  マスター・結城は苦笑しつつ、
  カウンター越しに絢音の差し出したカットグラス
  へ新たな芋焼酎を注いだ。
  
  すると、絢音の後方から男の声が ――、
  
  
「マスター、その焼酎、オレにツケといて?」


  バランスのとれた体躯に細身のスーツ ――、

  周囲の視線を一身に集める研ぎ澄まされた美貌、

  称賛と感嘆・劣情を滲ませた歓声に包まれ、

  男は絢音の近くに立った。
  
  
「こんばんわ、隣、座っても?」

「どーぞぉ? 私の指定席やないしー」


  男は自分のドリンクをマスターへオーダーし、
  1人分の席を空けて座った。
  
  そして、テーブルへ肩肘ついて、
  絢音の横顔をじぃーっと見つめる。
  
  絢音はしばらくその図々しい視線を平然と受け止めて
  いたが ――、それにもいい加減うんざりして。
  
  深い溜息をついたあと。
  
  
「つきなみな質問だけど、私の顔に何かついてます?」

「ん~……眉がふたつ・目もふたつ、鼻が1個に
 口も1個ってとこかな」
 
「あー、おもしろー」


  (何なの? このオヤジ)
  
  
「なぁ、オレと寝よう」

「……は、い?」

「セッ*スしようって言ったの」

「アタマ、大丈夫? 何なら精神科のいいドクター
 紹介するけど」
 
「あー傷つくなぁ。これでも勇気奮い起こしてキミ
 みたいな可愛い子に声かけたのにぃ」
 
「で、いきなりエッチしようって誘うワケ? 
 おっさん、どんだけ溜ってんのよ」
 
「回りくどいの嫌いだし」


  絢音は”ブッ”と、噴き出し、そのまま
  笑いのドツボにはまり、ゲラゲラ笑い出す。
  
  
「―― オレ、竜二」


  絢音、笑いすぎて痛む脇腹を手で押さえつつ、
  
  
「私は絢音(あやね)」       
   
  
  このあと2人は特に言葉を交わす事もなく、
  互いに酒を飲み干し ――、
  どちらともなく奥まった一室、
  パウダールームに姿を消した。

***** ***** *****

「あ、あぁぁ ―― っっ!!」

「っ ―― んく……っ」



  ほとんど一緒に果てた後は、各々自分で後始末。
  
  
「―― なぁ、オレら体の相性はめっちゃいいんと
 ちゃう?」
 
「んー……確かにね」


  竜二、絢音にキスしようとして寸前でかわされ、
  仕方なくその首筋へねっとり唇を這わせる。
  
  
「今度はゆ~っくりベッドで楽しみたいなぁ~、
 なんて?」
 
「あいにく今は、ワンナイト・ラブで十分なの」
 
「もったいない!」

「ふふふ……またね~♬ めっちゃ溜まりまくってた
 お・じ・さ・ん」           
    

  と、手慣れた様子で竜二を押しのけ室から
  出て行った。
  
  
「おじさん、って――俺、まだ33だぞ……」
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