人間消去アプリ

ふたり目


おばあちゃんが死んで一週間。


葬儀が無事に終わり、なにごともない日々を過ごした。


2限の授業がはじまる休み時間、すずねと円歌と話していた。


「理央、大丈夫?


理央のおばあちゃん、事故で死んだんだってね」


「大丈夫なわけがないよ、すずね。


だって、自分のおばあちゃんが死んだんだもん」


私のおばあちゃんが交通事故で死んだという話は、すずねと円歌の耳に届いていた。


でも、おばあちゃんが死んだのは私が【人間消去アプリ】を使ったせいかもしれないということは知らないようだ。


まぁ、それはそうか。


事故に遭って死ぬなんて、現実でもあるし。
< 97 / 334 >

この作品をシェア

pagetop