先輩に一目惚れしたんで、サイエンス部に入部します!
地学は未来を考えさせる
日本は、冬を迎えた。寒い。とにかく寒い。山の中だからか、町とは温度が違う気がする。

今日の部活は、外へは行かずに部室で勉強会。分野は地学!岩井先輩はなぜかノリノリだ。

「私、地学大好き!おもしろいから!」

そう言いながら、黒板に「気圧」と書く。その下に「高気圧」「低気圧」と書いた。

「気圧が等しい地点を結んだ曲線を等圧線って言うんだよ」

星野先輩が教えてくれる。

「気温や湿度が一様な大きさの空気のかたまりを気団、二つの気団がぶつかる前線面が地表面と交わるところを前線と言うんだっけ」

河合先輩が言うと、岩井先輩が「正解だけど、私にも解説させて〜」と苦笑いした。

「さて、日本をふくむ中緯度地帯の上空で、一年以上吹いている西寄りの風は?」

これはわかる。俺を含む部員が一斉に言った。

「偏西風!!」

「気圧の単位は?」

「ヘクトパスカル!!」

「四つの前線の名前は?」

これはわからない。俺以外が口を揃えて言う。

「温暖前線、寒冷前線、停滞前線、閉塞前線!!」

天気の問題をそれから数問出されたが、答えられるところと答えられないところの差がね……。みんなスラスラ答えられてるのに……。

でも、西高東低とか移動性高気圧とか忘れてたし、シベリア気団、オホーツク海気団、長江気団、小笠原気団とかわかんねぇ〜!!日本語なのかよ。

次は、火山や地震の問題!簡単な問題が来ますように!

神様と岩井先輩に祈るしかない。
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