彼の妹が亡くなった。

元々虚弱な子だったのもあるが、それに加えて長年患っていた病気が悪さした結果だったと聞いている。

まだ若いのに残念な結果になってしまった事に、なんとも言い難い気持ちになる。

綺麗な死に顔に花を添えれば、まだ生きているような白い顔を映えさせるような華やかさを演出させ涙が溢れた。

彼と私の付き合いよりももっと短いけれど、私が顔を出せば、慕うようにニコニコと笑ってくれていた彼女を思い出すだけで胸が痛む。

その笑顔だって、その手の温もりだって、その声だってまだ覚えている。

葬儀の会場で故人との別れを惜しむように啜り哭く声が聞こえてくる中で、彼だけは一度も涙を流さなかった。

彼女が息を引き取る瞬間も、家に帰って来た時も、納棺する時も、火葬される時も。

骨になってしまった彼女を見た時ですら。


そう、彼は彼の父が死んだ時も一つも涙を零すことはなかった。