ストーカー
合コン
璃桜の部活が終るのを待って、あたしは一緒に帰り道を歩いていた。


太陽は沈みかけていて、璃桜の汗もすっかり引いている。


「今日は一旦家に帰って、また練習に出るの?」


歩きながら、あたしは璃桜へ聞いた。


「あぁ。総合グラウンドでやるよ」


そう言って璃桜はネットに入ったボールをポンポンと軽快に蹴る。


何気ないその仕草が、あたしは大好きだ。


こんなに至近距離でボールに触れる璃桜を見られるなんて、本当に幸せ者だと思う。


「遙は早く寝ること」


冗談交じりの声で璃桜に言われ、あたしは頬を膨らませた。


「わかってるよ」


返事をしてから、あたしはシャッター音のことが一瞬頭に過った。


絶対に気のせいじゃないと思うのだけれど、万が一気のせいだったら?


そんな気持ちがあった。


あのシャッター音が聞こえ出してから、ちょっとゲームは自粛した方がいいのかもと思い始めていたところだった。


今日みたいに気のせいでは済まされないほど、ハッキリと聞こえて来るようになったらさすがに危険だ。

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