ストーカー
今のはなに?


人影に見えたけれど……。


心臓はバクバクと早鐘を打ち、呼吸が乱れてくる。


玄関の鍵をしっかりとかけ、あたしは自室へと駆けあがった。


あの電柱ならあたしの部屋から確認できるはずだ。


そう思い、カーテンを開く。


電柱へと視線を向けると、先ほど隠れて見えなかった裏側まで見る事ができる。


そこにあったのは子供の飛び出し注意の看板だったのだ。


子供の形をした看板の影が伸び、人影に見えていたようだ。


「なぁんだ、もう驚かせないでよ」


ホッとして独り言をつぶやく。


太陽はまだ高いけど、今日はもうゆっくりしよう。


そう思ってベッドへ向かい、違和感に気が付いた。


太陽はまだ高い。


じゃあ、影はそんなに伸びないんじゃないか?


ハッとして窓にかけより、再び電柱を確認した。


電柱の影と看板の影は重なり合い、人影のようには見えなかった。


じゃあ、あたしが見たアレは……?


途端に寒気に襲われて、あたしは分厚いカーテンをしめたのだった。

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