ストーカー
「遙の言う視線が本物だったとして、通学路で誰かに襲われたら? そう考えたら、練習なんてどうでもよくなった」


「璃桜……」


璃桜の優しさに胸が熱くなってくる。


璃桜の握りしめてくる手に力が込められた。


あたしも力を込めて握り返す。


「ありがとう璃桜。だけど自分の時間もちゃんと大切にしてね? じゃないと別れるから」


冗談半分でそう言うと、璃桜は驚いた様子で振り向いた。


「別れるとかやめてくれよ、心臓止まる」


「あはは。冗談だよ」
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