ストーカー
ポスト
「よし、今日は大丈夫そう」


朝、洗面所の前であたしは笑顔を浮かべてそう言った。


昨日西村君にあれだけ笑わせてもらったから、今日は表情が穏やかになっている気がする。


鏡の中のあたしは自然な笑顔を浮かべていた。


これなら璃桜も安心してくれそうだ。


そう思ってホッと安堵のため息を吐きだした、そのときだった。


「なんだこれは!」


玄関からお父さんの大きな声が聞こえてきて、あたしは脱衣所から出た。


切羽詰っているような、緊張しているような声だった。


お父さんの焦った声を聞くのはとても久しぶりのことだった。


途中でお母さんと合流して一緒に玄関へ向かうと、そこに棒立ちになっているお父さんがいた。


玄関の前で目を見開いて動こうとしない。


明らかに様子がおかしくて、あたしは眉をよせた。


「お父さん、どうしたの?」


一歩近づいてそう質問をした時だった。


玄関に大量の写真がばらまかれていることに気が付いたのだ。


そのどれもにあたしが写っている。


一瞬、大きく息を飲んだ。


しかしあたしは唖然としてしまい、なにも言えなかった。


これはなに?


一体どういうこと?

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