運命ノ黒イ糸
赤い糸
あの夢は一体なんだったんだろう?


本当の出来事だなんて思えないし、まさか、あの夢を見ながらあたしは徘徊していたんじゃないだろうか?


そんな不安が過り、あたしは暖かな湯船の中で身震いをした。


夕飯の前に、なぜか冷え切っていた体を温めることにしたのだ。


なにはともあれ、涙が引っ込んでくれて助かった。


あのままずっと泣き続けていたら、両親に顔をみせることができないところだった。


お風呂の鏡で自分の顔を確認すると、少し瞼が腫れているように見えた。


でも、これくらいなら昼寝のし過ぎたと誤魔化すことができる。
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