グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
第4章 心の声に従って


 それから2週間後。

 外は雪が降ってとても寒い日になった。

 ジックニーがいつものように、仕事の帰り道を歩いていると・・・。

「あら、偶然ね」

 突然デルバが現れた。

「何ですか? 」

 ジックニーが立ち止まると、デルバはゆっくり歩み寄って来た。

「貴方が言っていた証拠。ちゃんと検察に届けたわ」

 怪しげな目で笑い、デルバはジックニーに近づいてきた。

「そうですか、では、検察からの連絡を待ちます」

「そうね、でもそうなるとノエリは完全に捕まるわよ」

 ん? 

 ニヤリと笑うデルバに、ジックニーは何かを感じた。

「ねぇ、ちょっとだけ2人で話さない? 悪い話じゃなわ。ノエリの事、解放してあげてもいいって思ったの」

 上目遣いでジックニーを見るデルバ。

「私と2人で話をしてくれたら、ノエリの事もう付きまとったりしないって約束するわ。悪い話じゃないでしょう? 」

「・・・確かに。話しをするだけで、ノエリが解放されるなら悪い話しじゃないですね」

「じゃあ決まりね。一緒に来て」

 デルバはジックニーの袖を引っ張った。

 仕方なくジックニーは、デルバに着いてゆく事にした。



 外は雪が降りだしてきた。
 
 大粒の雪・・・今夜は積もりそうである。






 夜もふけって。

 ジックニーは帰宅した。


 ノエリは先に休んでいるようだ。


 寝室を覗くジックニー。

 ベッドでノエリはぐっすり眠っている。

 
 そっと傍に近づくジックニー。

「ノエリ・・・何も心配しなくていいんだよ。・・・俺が、ちゃんと護るから」

 眠っているノエリの手をギュッと掴むジックニー。

 ノエリはマスクを着けたまま、ぐっすりと眠っている・・・。
< 33 / 88 >

この作品をシェア

pagetop