独占欲強めの部長に溺愛されてます

――この声は。
不自由ながらも首をなんとか動かして後ろを確認する。

(やっぱり……!)

加賀美が野々花の背後に立っていたのだ。


「お、おはようございます」


そう返してから、角度が苦しいため真正面に顔を戻す。


「加賀美部長もこの電車なんですか?」
「知らなかったか」
「はい。お見かけしたことがなかったので」


電車通勤は知っていたが、同じ路線だったとは。


「俺は何度か星を見たよ。まぁこの混雑だから、声はかけられなかったけど」


なんと、加賀美に目撃されていたとは。
変な顔をしていなかったか、妙な行動はしていなかったか、野々花はつい心配になる。と、その前に、まずはお礼だ。


「先日はありがとうございました」

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