おじさんは予防線にはなりません
最終章 幸せにできるのは俺だけだから
その日、私は……大河に、呼びだされていた。

「これ。
結婚式の招待状。
池松課長には言ったけど、詩乃に直接渡したくて」

すっ、私へ封筒を滑らせ、大河はコーヒーを一口飲んだ。

――大河は。

あれから自力で開拓した、アメリカのアパレルメーカーの女性社長に気に入られ、半ば彼女から強引に付き合うようになった。
しかも、付き合いはじめて三ヶ月で結婚が決まり、いまはバタバタしている。

「私が行ってもいいの……?」

和佳さんはわかる。
大河の上司だし。
でも私は……。

「夫婦できてほしいの。
だから」

「……うん。
じゃあ、ありがとう」
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