家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
「その。
起きてからなにも食べてないからお腹が空いて。
それでその、なにか食べるものないかな、って」

ぎこちなく笑ってみる。
けれど松岡くんは無言で台所へ行ってしまった。

「これでも召し上がればよろしいのでは?」

戻ってきた松岡くんが、紙袋を押しつける。

――立川さんが持ってきた。

「そ、そうだね」

紙袋を受け取って、すごすごと仕事部屋に戻った。
椅子に座り、中からチーズタルトを取り出す。

「今日は嬉しそうになんてしなかったよ」

そこにいない松岡くんに話しかける。

「王子様は卒業するし。
王子様より松岡くんがいい」

がぶっと乱暴に、チーズタルトに噛みついた。

「だから機嫌、直してよ……」

一時間も並んで買ってきたというチーズタルトは、妙にしょっぱかった。
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