家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
第10章 それって流行ってるんですか
「寝てた!」

金曜日、がばっと勢いよく起きた場所は――ベッド。

「……あれ?」

机で前日と同じく、寝落ちたはずなのだ。
なのなんで、ベッド?
そういえば月曜日もその前も目が覚めたら、ベッドだった……。

「松岡くん、ごめん。
寝てた」

「……おはようございます」

慌てて茶の間へ行く。
けれど松岡くんは私を無視するかのように台所へ行ってしまった。

「……うん、おはよう」

誰にでもなくそれだけ呟いて、洗面所で顔を洗う。
面倒になってきていた化粧も、松岡くんがいる日だからサボらずにちゃんとする。
もちろん仕上げはハートのペンダント。

「あの、仕事しているので、なにかあったら声かけて……クダサイ」
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