かわいい戦争

あやうい閃光






『リタ、卒業ライブ』




インディーズのライブ会場にしては、異例中の異例のアリーナ開催。


その上、満員御礼。

チケットは1分で完売したらしい。



会場前は、長蛇の列。


開演を待ちわびて早めに並んだり、物販に駆けこんだり、辺りは人、人、人。


特に、ドレス姿のリタのシルエットが写された看板の前では、写真を撮ろうと人だかりができている。




それとは別に、違う意味で注目を集めてる場所がひとつ。




「りったん、人気すごい」


「さっすが超人気アイドルは違うな~」


「あんなシルエットを写真撮ってどうすんだよ」


「ファンに聞かれたら刺されんぞ?」




そう、わたしの周り。


イケメン4人が一緒にいたら、良くも悪くも目立つに決まってる。



これでもこっそり1人で来ようか考えたんだよ?

でも、無理でした。


駅に行く途中で、バイクに跨った彼らが待ち構えていた。


そのときわたしは悟った。
逃げられないな、と。



「ところでさ、おんなどもそうじゃーだっけ?って、どんなグループなん?」



うろ覚えだね、勇祐くん。

これからライブ観るっていうのに。


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