愛されプリンス½
14♡大っ嫌い!






「一花、これ玲くんに持っていって♡」



今日の夕飯は私の大好きなハンンバーグ。


いただきま~す!とさっそく手を合わせたところで、お母さんから待ったがかかった。



「持っていってって…何これ?」



お母さんの手にはコンパクトな土鍋。
桜の花が書いてある可愛いデザイン。



「実は、今日買い物帰りに偶然玲くんに会ってね、夕飯に誘ったんだけど体調悪いからって断られちゃって。

だからお粥作ったの♡これだったら、食欲なくても食べられるでしょ?♡」



彼女かよ。


いや、それにしても体調悪いって…。


今日、屋上で会ったときは全然そんな素振りなかったけど…?




「だからこれ、持って行って!あ、あとこれと、これもね!」



私に土鍋を押し付けると、その上から更に冷えピタシートやらアイスノン枕をのっけてくるお母さん。


そして極め付けのウインク♡




「ついでにきっちり看病してきなさい♡あ、風邪がうつるようなことは、ほどほどにね♡」




何言ってんだこの人。




「…何で私が奴のためにそこまで」


「冷たいこと言わないの!玲くんには常日頃お世話になってるでしょ?」


「いや全くお世話になった覚えはないけど」


「いいからほら!早くいってらっしゃい!」




お母さんに背中を押され、渋々玄関に向かった。


まぁ確かに、様子はおかしかったから、少し気になるといったら気になる…し。少しね。





< 222 / 420 >

この作品をシェア

pagetop