素肌に蜜とジョウネツ
9、そこに愛のない付き合いって


次の日は日勤。

日勤ということは、高輪マネージャーに夕食を作って届けるようになっている日。

昨日の夜、

彼が通りかかったのは偶然だったにしても、助けてもらったことに代わりはなくて―…

もし、あの時、高輪マネージャーがいなかったら、

そう考えると、ゾッとする。

だから、お礼の代わりも兼ねて、今夜ははりきって少し豪華に夕食を作ろうかな、

なんて、社員食堂で社食を食べながらぼんやりと考えてみたり。

でも、今まで言われたものを作っただけだし、契約とやらを結んで日も浅い。

高輪マネージャーの好みなんてよく知らない。

無難に同じメニューを持っていくのも、何だかなぁ、って思うし……

と、パッと、

目に入ったのは、プレートの隣りに置いていた携帯電話。

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