優しい愛に包まれて～イケメンとの同居生活はドキドキの連続です～

それぞれの思い

夕食の支度が出来て、私は、祥太君と颯君を呼びに行った。

お母さんも夕食はいらないと連絡があった。

文都君は、帰りがどれくらいになるかわからないと連絡があったから、先に食べると断りを入れておいた。

『ハンバーグ、余っちゃってるから、どんどん食べてね』

私は、祥太君と颯君と3人の食事に、少し気まずさを感じてる。

しばらくして、祥太君が口を開いた。

『颯、結菜ちゃんの絵はどうなってるの？』

『…今日から描き始めてる。ね、結姉』

『…あ、うん。そうだね』

私は、颯君に抱きしめられた瞬間を思い出してしまった。

『そうなんだ…どれくらいかかるの？』

『…ちょっとわからない。きっと、時間はかかる…ピアノみたいにはいかない』

『どういう意味？』

空気が張り詰める。

『…』

沈黙がたまらなくて、私は、立ち上がって言った。

『ねえ、ハンバーグおかわりいかが？今日のは頑張って作ったから、美味しいでしょ？』