王女にツバメ

落ち込んでいる内にうちのマンションの前まで来てしまった。

「本当にくる?」

ここで追い返すのは少し気が引けた。改札を出た時点で何を言っても聞かないだろうなとは思っていたけれども。

「裏葉さん、それ意味ないでしょ」
「え?」
「めっちゃ顔に出てるよ」

一緒に居てほしいって。




あたしは心の底に大きなブラックホールを飼っている。
それを少しでも埋めたくて。

君でそれを埋めようとした。



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